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不動産売却

親が施設に入り、実家が空き家に。子どもが売却を進めてもいい?

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親が施設へ入り、誰も住まなくなった実家へ、子どもが通って庭や郵便物の面倒を見ている。「いつまで続けられるだろう。できれば売って整理したい」。そう思っても、親名義の家を子どもの判断だけで手放すことはできません。本人が売却を望むかと、売却を理解し、判断できるかを分けて確認します。

親も手放す方向で考えているなら、売却に向けた確認を始められます。
本人の意思と手続きの条件を確かめながら、いくらで売れそうか、何を準備するかを整理します。まだ本人と話がまとまっていない段階でも、ご家族から相談や査定を始められます。

相談者
相談者
母が施設に入り、実家の管理は私がしています。今後も誰も住む予定がないので、できれば売りたいのですが、子どもから相談してもよいですか?
春日井シティ山本
春日井シティ山本
はい。まず管理の負担や今後の予定を伺い、売却価格や必要な準備を整理できます。ただし、売ると決めるのは所有者である親御さんです。本人の希望と、手続きを進められる状態かも確認しましょう。

親は残したい、子は管理がつらい。どこで話がすれ違う?

親が自宅で元気に暮らしていたときは、そのままだった実家。施設へ入り、子どもが管理を引き受けるようになると、同じ家でも見えている問題が違ってきます。「親が頑固」「子どもが処分を急いでいる」と決めつけず、何を残したいのか、何が負担なのかを分けます。

片付けに関するLIFULL seniorの2025年調査では、手伝いたい子世代が75.1%いる一方、手伝ってほしくない親世代は59.6%でした。親側の主な理由は、自分で判断したいことや、子どもに負担をかけたくないことです。調査結果 →
※親世代537人・子世代477人への別々のインターネット調査。同じ家族の対比較や、施設入居者だけの結果ではありません。

以下は、調査とご相談の内容をもとに整理した場面例です。当社の個別の相談事例ではありません。

「いつか戻るかもしれない」と、家を残したい

親の側では

施設での暮らしが合わなければ帰りたい。家を売ると、その選択がなくなるのが不安。

子どもの側では

毎月の見回りや庭の手入れを、いつまで続けるのか分からない。仕事や自宅のこともある。

話を進めるために:戻りたいという希望と、医療・介護面の見通しを分けて確認。残す間の管理方法・費用負担と、次に話す時期を決めます。

「子どもが使うだろう」と思っていた

親の側では

自分が住まなくなっても、子どもや孫に使ってほしい。売らずに残すつもりでいた。

子どもの側では

すでに住まいがあり、実家に戻る予定はない。でも、親の期待を断るようで言い出しにくい。

話を進めるために:誰が、いつから、何に使う予定かを具体的に。使う人がいなければ、売却の価格・経費と、残す負担を同じ材料で比べます。

「荷物は自分で決めたい」と、片付けが止まる

親の側では

家財や写真にはそれぞれ意味がある。必要かどうかを、子どもに勝手に決められたくない。

子どもの側では

どれを残すか分からず作業が進まない。自分たちだけで家一軒を空にするのも難しい。

話を進めるために:家を売る話と、家財を処分する話を分けます。残したい物は本人の希望を確認し、作業や処分の見積りは不動産会社・業者と整理します。

お互いに気を遣い、負担の話ができない

親の側では

子どもに迷惑はかけたくない。ただ、家のことまで任せると、何をどうされるか不安もある。

子どもの側では

親の家を売ろうと言うのは気が引ける。「任せて」と言ったまま、自分が管理を抱えている。

話を進めるために:売却の賛否から始めず、残しておきたいものと、管理にかかる時間・費用を共有。全部を一度に決めず、まず査定や管理見積りを取る段階にも分けられます。

本人も手放す方向なら、査定や手取り、必要な手続きを具体的にできます。まだ残したい場合は、管理を誰が引き受け、いつ方針を見直すかを決めます。貸す方法もありますが、修繕や空室の負担があり、戻りたいときにすぐ明け渡してもらえるとは限りません。

自宅へ戻る可能性は、本人の希望と、医療・介護の見通しを分けて確認します。体験入居なのか長期の入居なのかも、ご家族や担当のケアマネジャー・施設側と整理します。

空き地・空き家を残すと、維持費はいくらかかる? →

親名義の実家は、子どもの署名だけでは売れません

子どもが相談や連絡の窓口になることと、親に代わって契約できることは別です。不動産会社は登記上の名義や利用状況を確認し、司法書士等と連携して、本人の意思・本人確認・代理権など、取引に必要な確認を進めます。

施設への転居などで住民票を移している場合は、登記上の住所との違いも確認します。登記の住所が昔のままの場合の、売却前の手続き →

内容を理解して、
本人が売却を希望

価格や条件、売った後は家に戻れなくなること等を説明し、意思を確認します。ご家族が代理する場合は、本人からの有効な委任と、その範囲を確認します。

判断できるか、
不安がある

物忘れや診断名だけで、一律に売却の可否は決まりません。一方、会話や署名ができるだけでも判断できません。契約を急がず、司法書士・弁護士等と確認し、必要に応じ医療情報も踏まえて進めます。

売却を理解し、
判断するのが難しい

家族が署名したり、新しく委任状を作れば済む話ではありません。成年後見制度等の利用や、すでにある代理権の範囲を、専門家に確認します。

本人が来店できない場合も、それだけで売れないわけではありません。施設等での面談を含め、本人確認や説明をどう行えるかを不動産会社・司法書士が調整します。本人が売りたくない場合と、売る意思はあるが外出できない場合も、分けて考えます。

本人が「まだ売りたくない」と言う場合

判断できる親が売却に同意していないなら、「施設に入ったから」「管理しているのは子どもだから」という理由で売却は進められません。ただ、家族が管理を引き受け続けるのが難しいことも、話し合いに必要な事情です。

家を誰が使う予定なのか、残す費用を誰が負担するか、外部へ管理を頼めるかを具体的にします。査定は売る約束ではなく、選択肢を比べる材料にもなります。本人の意思を確かめずに、先に片付けや解体を決めるのは避けます。

成年後見は「家を売るためだけの手続き」ではありません

法定後見では、家庭裁判所が本人を支援する後見人等を選びます。子どもが必ず選ばれるわけではなく、本人の財産や生活を守るために仕事をします。売却代金も、家族で分けるお金ではなく、所有者本人の財産です。

成年後見人等が本人の居住用不動産を処分する場合は、家庭裁判所の許可が必要です。施設へ移る前に住んでいた家も対象に含まれ、売却だけでなく、賃貸や取り壊しが関わる場合もあります。保佐人・補助人は、処分する代理権の有無も確認します。裁判所の手続案内 →

法定後見は売却後も続き、利用を終えられる条件は限られます。報酬などの継続費用が発生する場合もあるため、申立て前に、期間・費用・本人の今後の生活を含めて説明を受けます。「売るために、とりあえず後見を付ける」とは考えないことが大切です。裁判所の成年後見Q&A →

判断が難しいご家族の制度相談は、地域の窓口からも

春日井市の「高齢者・障がい者権利擁護センター」では、成年後見制度の相談・利用支援を行っています。家の価格や売却条件は不動産会社へ、制度の利用は同センターや司法書士・弁護士等へ、並行して相談できます。
春日井市の窓口案内を確認する →

売るといくら残る?施設費用に使うなら、入金の時期も確認します

費用のために急いで売る人ばかりではありません。家の管理を整理したい場合も、売却後の手取りと、持ち続ける支出を比べると判断しやすくなります。施設費用に充てる場合は、入居時の支払いと、年金等では足りない毎月の金額も分けて整理します。

例えば、毎月の支出が20万円、年金等の収入が15万円なら、不足は毎月5万円、年間60万円です。あくまで仕組みを説明する仮の数字で、施設の料金相場ではありません。入居時の費用や医療費、今後の支出増加も含めて、必要な資金を見積もります。

家が2,000万円で売れても、その全額を施設費用に使えるわけではありません。仲介手数料・登記・片付け・必要な測量等の経費や、ローンの返済、売却益にかかる税金を確認します。費用は物件や契約条件で変わり、測量や解体がすべての売却で必要になるわけではありません。

売却価格から何が引かれる?手取りの考え方 →

また、査定をした日や売り出した日に、代金が入るわけではありません。売れるまでの期間に加え、契約から引渡し・残代金の受取りまでの期間もあります。入居金などに支払期限がある場合は、最初の相談でその日付を伝えてください。仲介と当社による買取など、価格と日程の両方から比較します。

仲介と買取は、価格・手間・入金までの見通しがどう違う? →

売却を待つなら、住まなくなった日と税金の期限も確認します

親が所有者として住んでいた家を売る場合、要件を満たせば、売却益から最高3,000万円を差し引くマイホームの特例を使えることがあります。売却代金ではなく、売却益に対する控除です。

以前住んでいた家では、原則として、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが、期限の要件になります。施設への入居日と、実際に住まなくなった日が同じとは限らないため、経緯を確認します。

仮に2026年6月に
実家に住まなくなった
→この期限要件では
2029年12月31日まで

ほかの適用要件も満たす必要があり、確定申告が必要です。個別の適用と売却日等の扱いは、税務署・税理士へ確認します。国税庁 No.3314 →

この期限だけで売却を急ぐ必要はありませんが、「そのうち考える」と待つことで選べる条件が変わる場合はあります。先に解体する場合も特例の要件が変わるため、解体を決める前に売却方法と税務を確認します。古い実家は、先に解体した方がよい? →

なお、本人が生きている間のマイホーム売却と、亡くなった後に相続した空き家の売却では、検討する税制も手続きも異なります。この記事の期限を、そのまま相続後の売却に当てはめないでください。

ご家族の相談から始め、本人の確認と価格・費用の整理を並行します

最初から、家族だけで結論や手続きをそろえる必要はありません。「親が施設に入り、空いた実家を管理している。できれば手放したい」という状況から相談できます。当社では、家族が連絡窓口になる場合も、本人への説明・面談をどう進めるかを確認して段取りを組みます。

1 今の状況を伺う

実家の住所、名義人、入居の予定、本人と家族の希望、資金の支払期限などを分かる範囲で。書類がそろっていなくても、まず状況を伺います。

2 家の見通しと、手続きの条件を確認

不動産会社が現地・名義・価格・経費を確認。本人の意思や代理権、判断の面で必要な対応は、司法書士・弁護士等と連携して整理します。

3 本人の暮らしと照らして、方法を比べる

売った後の手取り、残す場合の負担、貸す場合の費用と制約を比較。今は決めない場合も、管理方法と見直す時期を決めます。

4 必要な確認・合意・手続きを整えて進める

売却なら、権限や必要な許可、本人の意思確認を踏まえて、販売・契約・引渡しの順序を調整。管理を続ける場合は、点検や庭の手入れなどの範囲を決めます。

相談者
相談者
まだ売るか決めていないし、親とも話がまとまっていません。それでも相談していいですか?
春日井シティ山本
春日井シティ山本
はい。いくらで売れそうか、残すならどんな管理が必要かを知ることも、話し合う材料になります。ご家族だけで先に売却を決めるのではなく、本人への説明や確認も含めて進めましょう。

春日井の実家が空く予定なら、今の状況からご相談ください。

売却、買取、賃貸、管理の見通しを整理します。判断や法律上の手続きが関わる場合は、専門家と連携して進めます。

施設入居に伴う実家について相談する →

制度の確認:2026年10月21日。介護施設・老人ホーム等へ入居する親が所有する実家について、家族が検討するための一般的な案内です。
主な確認資料:LIFULL senior「生前整理・片付けに対する意識調査」(2025年)/すむたす「実家じまいに関する親子間コミュニケーション調査」(2025年)/厚生労働省「成年後見制度とは」/裁判所「居住用不動産の処分許可」/裁判所「家事事件Q&A」/国税庁 No.3302・No.3314/春日井市の権利擁護センター案内。個別の介護・法律・税務の判断は、それぞれの専門家に確認します。

代表紹介・仕事の考え方
山本直嗣
山本直嗣
春日井シティ不動産 代表
春日井シティ不動産マガジンの編集長です。春日井で育ち、柏原中学校・名古屋市立北高校・近畿大学を卒業後、マンション販売・売買仲介会社を経て、2005年に創業。不動産業歴30年。現在は、不動産の売買・買取・賃貸・管理を扱っています。趣味はラグビー。「春日井の不動産や暮らしのことなら、シティマガを見れば分かる」。そんなサイトを目指し、日々の仕事で得た経験をもとに、不動産の知識や相場、地域情報、身近な出来事などを発信しています。
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