古家付き土地は解体して売る?3つの売り方と、工事を頼む前の確認
「古い家は、壊してから売るもの」とは限りません。建物を残したまま売る方法も、買主が決まってから解体する方法もあります。先に比べたいのは、売値だけでなく、手元に残るお金と工事の時期です。

売り方は3つ。違うのは、誰が・いつ壊すか。
① 建物を残して引き渡す
買主が建物を使うか、購入後に解体する方法。売主が解体工事を発注する必要はありません。
ただし、買主が見込む解体費が購入価格に影響することはあります。残す家財や建物の状態、責任の範囲も契約で確認します。
② 買主が決まってから、売主が解体する
建物がある状態で販売し、合意した条件に沿って解体してから引き渡す「更地渡し」です。
何を撤去するか、工事費を誰が負担するか、引渡し期限を契約で決めます。住宅ローン特約などによる解除の可能性も踏まえ、着工時期を調整します。
③ 先に売主が解体して、土地として売る
土地の広さや形を見てもらいやすくなり、買手の印象がよくなって売りやすくなる可能性があります。一方、買主が決まる前に工事費を負担し、住宅用地の軽減措置が外れると土地の固定資産税も上がります。建物を使いたい人への売却という選択肢もなくなります。
更地にすれば早く・高く売れると決まるわけではありません。建物の危険性への対応が必要な場合は、安全確保も含めて優先順位を考えます。
「契約後に解体」でも、先にお金が必要なことがあります。
売買契約を結ぶ日と、売却代金の残額を受け取る日は別です。解体業者への支払いが先なら、その資金を用意する必要があります。
工事代金を払う日 ⇔ 売却代金の残額を受け取る日
例えば、工事代金の支払いが引渡しの1週間前なら、残代金を受け取る前に支払いが来ます。
契約時の手付金だけで足りるとは限りません。工事の支払条件と売買の日程を、発注前に合わせて確認します。
売値ではなく、費用を引いた手取りで比べる。
不動産会社に聞くときは、「更地ならいくら?」だけでなく、次の2つをセットで聞くと比較しやすくなります。
建物を残す場合の売却見込み額
と
解体する場合の売却見込み額 − 解体などの追加費用
解体費の見積りが建物本体だけなら、家財・塀・庭木・石綿(アスベスト)への対応などが別途必要になることがあります。売り方ごとに、同じ範囲の費用を入れて比べましょう。
仲介手数料やローン残高も含めて、売却後の手取りを確認する →
工事を頼む前に、ここまで確認する。
- 建物を使う需要
- 古さだけで判断せず、状態・修繕費・場所から、中古住宅として売れる可能性も確認します。
- 建物を使うための資料・手続き
- 買主がリフォームして使う場合は、検査済証の有無や増改築の履歴も確認します。書類がないだけで、解体するしかないとは限りません。
検査済証がない家は売れる?買主の使い方による違い → - 建て替えの条件
- 今ある家を壊しても、同じ大きさの家を建てられるとは限りません。接道、セットバック、用途地域などを確認します。
道路と敷地の確認ポイント → - 撤去の範囲と費用
- 塀・擁壁・庭木・井戸などをどこまで撤去するか。石綿の事前調査費、地中埋設物が出たときの扱い、追加費用の決め方まで見積り・契約で確認します。
共有の塀や、隣地へ出ている基礎などは、自分の判断だけで撤去できるとは限りません。不動産会社が境界や所有関係を調べ、必要な調整を進めます。
庇・塀の基礎などの越境と、撤去・引渡しの確認 →
境界杭を失わないために、工事前後に確認すること → - 家財の片付け
- 家具などの処分を解体工事に含むかは、見積り次第です。先に全部片付けると決めず、残す物と処分する物を整理します。
春日井市の収集・持込み・業者依頼を使い分ける →
先に解体すると、土地の固定資産税が上がることがあります。
住宅を解体して更地にすると、土地の固定資産税が上がることがあります。先に解体して売り出す場合は、売れるまでの税負担も見込んでおく必要があります。
住宅が建つ土地には「住宅用地の特例」という軽減措置があります。例えば住宅1戸当たり200㎡までの部分は、固定資産税を計算する基礎となる金額(課税標準額)を土地の価格の6分の1に、200㎡を超える部分は3分の1にする仕組みです。
解体して住宅用地ではなくなると、この軽減措置の対象から外れます。原則として毎年1月1日の状態で判断されるため、解体後、売れないまま更地で年を越すと、翌年度から土地の税負担が増える場合があります。先行解体の費用は、工事代金だけではありません。
一方、取り壊した建物には翌年度から固定資産税がかからなくなります。土地の税額がどれだけ増えるかは一律ではないため、土地・建物を合わせた年間負担を確認しましょう。建て替え等では例外もあるので、解体前に春日井市へ税額の見通しを確認してください。
春日井市:住宅用地の特例 →
解体費の補助金は、工事契約前に確認。
春日井市には老朽化した空き家の解体費補助制度があります。古い家ならすべて対象になるわけではなく、工事契約後の申請は対象外と案内されています。対象条件・予算・申請手順を、業者と契約する前に市へ確認してください。
春日井市:老朽空き家解体費補助金 →

制度確認:2026年10月20日。補助金の受付・予算状況は申請前に春日井市へご確認ください。
参考:厚生労働省委託・石綿総合情報ポータル「発注者・施主」/春日井市「土地の利用状況が変わったり、家屋を取り壊した時は」

