亡くなった親の名義のまま、家・土地は売れる?相続登記と売却の進め方
実家を売ろうとしたら、名義が亡くなった父や母のままだった。何十年も前の相続で、手続きをしたかどうかも分からない。そんな状態でも、売却の相談は始められます。
相談・査定は、相続登記が終わる前から。
買主へ所有権を移すには、相続登記が必要です。誰が売主になるか、必要な手続きと日程を確認し、売却準備と合わせて進めます。

相続登記は、親から引き継いだ権利を記録する手続き
相続登記とは、亡くなった方から不動産を引き継いだことを登記記録に反映する手続きです。親が亡くなれば、相続による権利は生じます。しかし登記が親のままなら、登記記録だけでは現在の権利関係が分かりません。
売却では、誰が相続したのか、誰が契約に関わるのか、買主へ権利を移せるのかを確かめます。固定資産税を払ってきた人、実家を管理してきた人が、その事実だけで家全体を一人で売れるとは限りません。
この記事は、登記名義人が亡くなっている場合の説明です。親がご存命であれば、まず親ご本人の所有権と売却の意思を確認します。「親の名義だから家族が自由に売れる」ということではありません。
名義人はご本人でも、登記の住所や姓が古い場合は、相続登記とは別の手続きです。住所・氏名の変更登記と売却の進め方 →
相続登記と売却準備は、並行して進められます
当社へ売却をご相談いただいた場合は、不動産の名義や状況を確認し、相続の手続きは司法書士へつなぎます。相談者が最初から戸籍や協議書を全部そろえておくことが前提ではありません。
分かる範囲の事情と、手元の書類を伺います。登記情報を確認し、必要な登記相談へつなぎます。
遺言書や戸籍等から相続関係と必要な手続きを確認。誰が引き継ぐか、登記をどう進めるかを整理。
価格・費用・物件の条件を調べ、売る場合の手取りと希望時期を確認。
必要な方の意向や手続きが確認できてから、募集・契約をどの段階で進めるかを判断します。
司法書士が必要な登記を進め、不動産会社と決済の日程を調整します。
一般的な段取りのイメージです。遺言や相続人の状況、登記の内容によって順番・必要書類・期間は変わります。
「登記前でも相談できる」と「すぐ契約・引渡しできる」は別です。相続関係や必要な同意がまだ分からない段階で、引渡し日だけを先に約束すると、間に合わなくなるおそれがあります。契約を進める前に、売主・署名する方と、決済までに必要な登記を進められるかを確認します。
昔の相続・家族の意見の違いなど、時間がかかるケース
昔の相続のまま
親の相続の後に、相続人だった別の家族も亡くなっている場合は、さらに相続が重なっている可能性があります。今の家族の人数だけで判断せず、戸籍等で確認します。
兄弟で意見が違う
遺産分割協議で分け方を決める場合は、相続人全員の参加・合意が必要です。売る価格だけ決めても、分け方や売却方針がまとまらなければ進まないことがあります。
連絡・意思確認が難しい
連絡が取れない方や、意思の確認が難しい方がいる場合は、通常より手続きが必要になることがあります。事情を司法書士・弁護士などに伝えて進め方を確認します。
遺言書がある場合や、すでに相続人が確定し取得する方が決まっている場合などは、必要な手続きが異なります。すべてのケースで遺産分割協議が必要になるわけではありません。
家族で売却の意見が合わないとき。共有名義と話し合いの進め方 →
費用は「税金・実費・専門家報酬」。期間は準備も含めて見積もる
相続登記の費用は、主に次の3つです。物件の数・評価額・相続関係によって変わるため、一律の総額で判断せず、必要な作業と見積りを確認します。
登録免許税
土地・建物の相続による移転登記は、原則として固定資産課税台帳の価格等を基に0.4%。売れる価格とは別です。土地には一定の免税措置もあります。
書類の取得費
戸籍・住民票・評価証明書など。必要な書類の範囲や通数によって変わります。
司法書士の報酬
登記申請のほか、戸籍収集・協議書作成等をどこまで依頼するかでも変わります。作業範囲と内訳を確認します。
税額の計算例
土地・建物の固定資産課税台帳の価格が合計1,000万円で、免税措置等がない場合:
1,000万円 × 0.4% = 登録免許税4万円
これは税金だけの例です。売却査定額1,000万円という意味ではなく、司法書士の報酬や書類の取得費も別にかかります。
期間も、戸籍などの収集、相続関係の確認、遺産分割の話し合い、登記申請後の処理を分けて考えます。司法書士が書類と事情を確認する前に「何週間で終わる」とは約束できません。売却を急ぐ理由があれば、最初の相談でお伝えください。
売る予定がなくても、相続登記の期限は確認する
相続登記は2024年4月1日から義務化されています。原則、自分のために相続があったことと、その不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請が必要です。遺産分割が成立したときには、その日から3年以内の登記も必要になります。
2024年4月1日より前に相続し、不動産を取得したことも知っていた場合
原則の期限2027年3月31日2024年4月以降に取得を知った場合などは期限が異なります。古い相続だから対象外、売らないから不要、とは判断しないでください。
正当な理由なく義務に違反すると、10万円以下の過料の対象になります。期限だけでなく、ご自身の相続の状況に合う対応を法務局や専門家に確認してください。
「相続人申告登記」をすれば、そのまま売れる?
売却のための相続登記とは違います。相続人申告登記は、自分が相続人であることなどを申し出て、基本的な申請義務を簡易に履行する制度です。遺産分割がすぐにまとまらない場合などに利用が考えられます。
ただし、その申告だけでは不動産の権利関係は公示されません。売却する場合は、別途、相続登記が必要です。申出をした方についての制度で、家族の一人が申し出れば当然に全員の義務を果たしたことになるわけでもありません。遺産分割後の追加的な登記義務も、この申告では代えられません。
売却も考えているなら、「名義が親のまま」と伝えて相談する

当社では、物件の価格や売却条件、費用と日程を確認します。相続登記は司法書士のご紹介も含めてご相談いただけます。相続人間で争いがある場合などは、弁護士への相談が必要になることもあります。
分かる範囲で「どの物件か」「誰の名義か」「いつ亡くなったか」「売却について家族でどこまで話しているか」をお知らせください。手元にある固定資産税の通知や登記関係の書類などを、担当者が案内しながら確認します。必要書類の取得や署名・押印は、専門家の案内に沿ってご協力いただきます。
名義が亡くなった親のままでも、売却の相談はできます。
所在地と、分かっているご事情からお聞かせください。
売却のご相談・査定は無料です。司法書士への手続き依頼などにかかる費用は、別途見積りを確認してご判断いただけます。
登記だけを先に相談したい方へ|春日井の相談先
名古屋法務局春日井支局では、司法書士による無料登記相談所が案内されています。予約制で、相談が無料であることと、登記の手続き費用が無料であることは別です。開設日・予約方法は、公式案内をご確認ください。
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出典・確認日
制度確認日:2026年10月21日。典型的な相続と売却の準備を説明しています。遺言・相続人・登記の状況による個別の判断は、司法書士・弁護士等と確認します。

