知り合いに土地を売るとき、不動産屋は必要?価格・条件・手数料の話

知り合い・お隣さんとの不動産売買
「土地を買いたい」と言われた。
さて、どう話を進めよう。
ガル太お隣さんが土地を買いたいって。まず、何から話せばいいの?
おカンいくらなら売るか、って言われてもね。相場もわからんし、知ってる相手だと余計に気を使うわ。
値段の目安を確かめて、何をどんな状態で渡すかを整理しよう。最初から、間に入ってもらいたいという相談でもいいんだよ。
お隣さんから「その土地、うちで買わせてもらえませんか」。親戚や知り合いの間で、家や土地の売買の話が出ることもあります。
売ろうと広告を出したわけではなく、相手から話が来た。ありがたいけれど、値段も売る時期も、まだ考えていない。そんな始まり方もあります。
知っている相手なら安心、と感じる人もいれば、お金の話は直接しづらいから間に入ってほしい人もいる。自分たちで進めたい、費用も比べて決めたいという人もいるでしょう。出発点はそれぞれでも、売る範囲・価格・渡し方を確かめ、双方で合意することは共通です。
確認する仕事は、まだあります。
- 物件を調べる権利・境界・道路・状態
- 条件を詰める費用負担・期限・不具合
- 契約を整える合意と責任を書面にする
- 決済・登記・引渡し代金と権利・現物を引き継ぐ
調査と条件の話し合いは、行き来しながら進めます。まだ分からない条件やリスクを残したまま、手続きだけ進めないことが大切です。
01 / 言いにくい、お金の話「いくらなら売る?」
知っている相手ほど、答えにくい。
売る方は「ほかの人なら、もう少し高く買うかもしれない」と思っていても、声をかけてくれた相手には言い出しにくい。買う方も「この塀、直す費用がかかりそう」と感じながら、値引きの理由にするのをためらう。
売る側の気持ち安く売ってしまうのは困る。でも、高く言って欲張りだと思われたくない。
買う側の気持ち希望する値段はあるけど、安く言って気分を悪くさせたくない。
ガル太知ってる相手だから、気楽に話せると思ったのに。
おカン世間話はね。何十万円も変わる話になったら、急に気を使うわよ。
まず、価格の根拠を持って話す。
相手の提示額があれば、場所・広さ・引渡し条件と一緒に整理します。成約事例や査定を材料にして、その条件で納得できるか考える。査定額は売却の見込みであり、その金額で売れる保証ではありません。査定額と成約価格の違い・根拠の見方を読む →
価格の話を始めても、測量や解体をどちらが負担するかで、受け取るお金と払うお金は変わります。「そのへんは後で」と置かず、値段と条件を一緒に詰めたいところです。
不動産会社には、調査や書類のことに加え、言いにくい希望を双方から聞き、まだ一致していない条件を整理する役割もあります。間に入る人がいた方が話しやすい、という理由で頼むこともできます。
「価格や資料を確かめてから、正式に判断したい」。そう考えているなら相手にも共有します。書面がなくても、やり取りによっては契約の成立が問題になります。「契約書に署名していないから、いつでも白紙」とは考えず、何に合意したかを曖昧にしないことが大切です。
02 / 進め方と費用を比べる仲介を頼むなら、
費用と仕事の範囲を確かめる。
一般の個人が自分の土地や家を売るとき、不動産会社の仲介を必ず入れなければならないわけではありません。個人間で直接売買する選択肢はあります。ここでは、反復継続して不動産を売買する事業ではなく、所有する物件を売る場面を考えます。
(2,000万円 × 3% + 6万円)× 1.1 = 72万6,000円
仲介手数料の上限を示す計算例です。実際の報酬は、依頼前に上限の範囲内で合意します。売主・買主のそれぞれが仲介を依頼する場合は、それぞれの費用を確認します。
この費用で、何を頼むのか。価格や負担の調整、物件調査、契約、引渡しまでの進行を依頼するなら、その内容と金額を確認します。手間を減らしたい、知人との間に担当者がいてほしいという価値も含めて考えられます。
自分たちで進める場合には、仲介手数料を省ける利点があります。同じ価格・引渡し条件で取引できるなら、その分の出費は減ります。
ただ、費用を省くつもりで直接進める場合でも、売主は「その分が手元に残る」、買主は「その分、値引きしてもらえる」と考えていることがあります。浮く費用をどう考えるかも、話して初めて分かること。売買価格だけでも、手数料だけでもなく、条件と費用を合わせて比べる必要があります。
省ける費用
仲介を依頼しなければ、不動産会社の仲介手数料。
別に確認する費用
登記・税金、必要な測量や分筆、解体など。仲介の有無にかかわらず、取引内容で発生します。
自分たちで担う仕事
価格と負担の交渉、物件調査、契約条件、専門家の手配、入金・登記・引渡しの日程。
800万円以下の宅地・建物には、依頼者一方から税込33万円を上限とする仲介報酬の特例があります。適用時も事前の説明と合意が必要です。上の2,000万円の計算を、どの価格帯にも当てはめることはできません。国土交通省の仲介手数料の案内
03 / 「そんなつもりじゃ」が起きるところ相手がいい人でも、
話が食い違うことはある。
値段がまとまりそうでも、確認しておきたいことがあります。次は、条件のずれを考えるための架空例です。
「測量代も、その値段に入ってると思ってた」
売主は「このままの土地を、この金額で」。買主は「境界を確認して測ってもらい、その金額で」。総額の話が合っていても、渡し方は合っていません。
必ず全件で新しい測量が必要とは限りません。今ある資料、境界の状況、金融機関の条件などから必要性を確認します。そのうえで、誰が手配し、誰が払うか。測った面積が違ったら代金を調整するかまで決めます。
「古いのは知ってた。でも、これは聞いてない」
売主は、古い塀ごと引き受けてもらうつもり。買主は、傾いた部分は直して渡してもらうつもり。家なら、以前の雨漏りや設備の不具合も同じです。「見ているから分かるはず」で済ませず、分かっている状態と引渡し条件を共有します。
契約した内容と違う状態なら、契約不適合責任が問題になる場合があります。「現況有姿」と書くだけで、あらゆる責任がなくなるわけではありません。責任の範囲・期間も合意し、知っている不具合は具体的に伝える。免責特約があっても、知りながら告げなかった事実などについて免責されない旨が民法に定められています。
「ここまで売ってもらえば、車がもう1台置ける」
お隣ならではの、うまい使い方です。ただ、登記上ひとまとまりの土地の一部だけを、独立した土地として売るなら、測量・分筆などの段取りも必要になります。売る線をどこに引くかで、残る土地の間口や出入り、建物の敷地条件に影響することもあります。
「お互い、その場所は知っている」だけでは足りない確認です。売る部分と残る部分を図面で見て、測量・分筆の費用や、将来の使い方まで整理します。家が建っている敷地を切り分ける場合は、建築上の条件も建築士等と確認します。隣地と一体で使う価値は、一般の住宅地の坪単価だけでは割り切れない場合もあります。
知らない相手なら言えたことが、知人には言えない。小さな遠慮が積み重なって、あとから「なぜ最初に言ってくれなかったの」となる。その気まずさも、直接売買で引き受ける負担の一つです。
04 / 誰に、どこまで頼むか登記は、司法書士に依頼する。
取引全体の確認は、どうする?
ガル太買う人と値段が決まったら、あとは名義を変えるだけじゃないの?
登記は司法書士に依頼して進めよう。そのうえで、境界や道路、引渡し条件、お金の段取りまで確認する仕事がある。値段が決まっただけでは、見えていないこともあるんだ。
「売る人」と「売る条件」も、先に確認する。
普段「うちの土地」と呼んでいても、登記は亡くなった親の名義、きょうだいとの共有ということもあります。土地全体を売るなら、権利者の意思と必要な手続きを確認。抵当権や借りている人がいる場合も、処理・引継ぎの段取りが関わります。
契約では、売る範囲と価格、手付金、残代金と引渡しの時期、測量・解体等の負担、不具合への対応に加え、合意後にやめる場合の条件も整理します。手付金の扱いや違約金は、ひな形のまま流さず説明を受けたい点です。
個人間の売買でも、登記は司法書士への依頼をおすすめします。本人や売買の意思、権利関係、必要書類を確認してもらい、代金の支払いと申請の手順を合わせます。登記の手続きを頼むことと、売買全体の調査・交渉を任せることは、同じではありません。契約書作成などを含め、今回の依頼でどこまで担当するかを確認します。
- 登記・権利の手続き
- 司法書士に、名義・相続・抵当権などと、決済時の登記手続きや必要書類を相談。
- 境界・測量・分筆
- 土地家屋調査士などに、資料と現地の状況、必要な調査・測量・登記を相談。
- 調査・条件・取引の進行
- 不動産会社に、価格の根拠、道路・法令・設備等の調査、条件のすり合わせ、重要事項の説明、契約・日程調整を相談。具体的な業務範囲は依頼時に確認。
- 紛争・税金の判断
- 法律上の紛争は弁護士など、税務の判断は税理士へ。不動産会社がそれらの専門判断を代わりにするわけではありません。
買主がローンを使うなら、契約の前に金融機関へ「仲介なしの個人間売買」と伝え、取扱いと必要資料を確認します。重要事項説明書などを求める金融機関もあり、個人間ならどの銀行でも借りられる、とは限りません。融資が受けられなかった場合の契約の扱いと期限も決めます。
残代金の支払いと、所有権移転に必要な書類・登記申請をどう合わせるかも大切です。「知っている人だから、先に全額振り込んでおく」で済ませず、関わる専門家や金融機関と当日の手順をそろえます。
05 / 仲介を頼む前に、聞いていいこと「買う人はいるんだけど」
そこから、仕事を相談できる。
物件や権利を確認でき、価格・費用・不具合への対応を話し合えて、契約と決済も段取りできる。その負担とリスクを理解して選ぶなら、直接売買という方法はあります。
手続きや調査を任せたい。自分では言いにくい条件を調整してほしい。知人との関係を大切にしながら進めたい。そう考えて、初めから仲介を頼むのも一つの選択です。既に損害賠償などの争いになっている場合は、仲介による条件調整とは分け、弁護士などへ相談します。
買手が決まっていれば、広告や相手探しの仕事は減ることがあります。ただ、物件の調査や条件の調整が簡単になるとは限りません。仲介を検討するなら、次を聞くと、任せる仕事と費用を具体的に比べられます。
- この取引で、何を調べてくれる?境界・道路・設備・権利など、未確認の部分と調査の範囲。別の専門家や費用が必要な部分も確認します。
- 相手との、どの条件を調整してくれる?価格、測量・解体等の負担、引渡しの状態や時期。不動産会社を入れれば、希望が全部通るわけではありません。
- 報酬はいくらで、どこまで含まれる?仲介報酬と、登記・測量などの別費用を分けて確認します。買手がいるだけで一律に安くなる制度ではなく、仕事の内容と報酬を依頼前に合意します。
仲介が入っても、調査で見つからないことや、後から生じる争いがなくなるわけではありません。誰が、何を、どこまで担当するかが明確になっているか。そこを見て選びたいところです。
06 / 売ったあとも翌朝も、ふつうに
「おはようございます」と言いたい。
取引が終わっても、お隣ならまた顔を合わせます。知人なら、共通の友人や家族との付き合いも続くでしょう。
おカン契約書の話をすると、水くさいって思われそうでね。
「あとでお互いに困らないように、今のうちに決めておこう」でいいと思う。遠慮して残したことが、あとで言い争いになる方がつらいからね。
手数料を払って仕事を頼むか、自分たちで確認して進めるか。金額と、引き受ける仕事を並べて考える。どちらを選んでも、値段も、費用も、困ったときの扱いも、気持ちよく話せるうちに決めておきたいものです。
「もう買う人は決まっているんだけど」。不動産屋への相談は、そこからでも始められます。売却の条件整理について相談する →
逆に、お隣や大家さんから「買ってくれない?」と言われた側なら、買うと決める前に、買主として相談する進め方もご覧ください。
確認した資料・ニュースと記事の範囲
確認:2026年10月27日。一般の個人が所有する不動産を売買する場面の読み物です。キャラクターの会話・具体例・挿絵は説明のための創作で、実際の相談者や取引の再現ではありません。仲介を入れた場合の価格上昇や、トラブルの解消を保証する記事ではありません。
きっかけは、近隣の方との土地の直接売買を扱ったファイナンシャルフィールドの記事です。この記事はその事例の続報・転載ではなく、言いにくい条件と役割分担を独自に整理しています。
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