相談1|実家を内緒で売れる?(春日井市・60代女性)

実家を売りたい。でも、親戚や近所には知られたくない。
春日井市にお住まいの60代の女性から、そんな相談をいただきました。
家を買った話なら、周りにも話しやすいかもしれません。売る話となると、少し勝手が違います。どうして売るのか、いくらで売るのか。そのたびに説明するのは、面倒なものです。
誰かに反対されているわけではなくても、あまり話題にされたくない。できれば静かに済ませたい。家そのものを手放すことより、周りとのやり取りが気になる方もいます。
今回の相談も、買い手の探し方をお話しするところから始まりました。
「内緒で」の範囲
情報を広く出さずに、買い手を探すことはできます。
すでに家や土地を探しているお客様へ、個別に紹介する。同業者や住宅メーカーのつながりで、条件の合いそうな相手を探す。不動産会社に買い取ってもらう方法もあります。
私も、紹介や口コミで取引をまとめることがあります。ネットに載せて、現地に看板を立てる。それだけが売り方ではありません。
ただ、売り出す情報を広く出さないことと、誰にも知られずに売り終えることは、同じではありません。買い手候補には物件の情報を伝えますし、現地を見てもらうこともあります。そこから近所の方が気づく可能性まで、なくせるわけではないのです。
ですから、「内緒で売りたい」と伺ったときは、どの範囲を気にされているのかも確認していきます。
ネットに住所や写真が載るのを避けたいのか。現地の売物件の看板が気になるのか。限られた相手に紹介することなら差し支えないのか。
たとえば、看板は出したくないけれど、ネットへの掲載は構わないという場合もあるでしょう。どちらも避けたい場合とは、買い手を探す範囲が変わってきます。
「内緒」という一言の中にも、いくつかの進め方があります。
今回は、一般的な販売方法で
一方で、不動産の売却では、物件情報サイトなどに掲載して広く買い手を探す方法が一般的です。
こちらがすでに知っているお客様だけでなく、今まさにその地域で家や土地を探している人にも、物件を知ってもらえる。良い条件で売るためには、その機会をつくることにも意味があります。
今回の女性にも、情報を広く出さずに探す方法と、物件情報を公開して探す方法をお話ししました。
話を伺うと、何が何でも周囲に知られずに売らなければならない、という事情ではありませんでした。そのため、物件情報を公開して買い手を探す、一般的な方法で進めることになりました。
ここまでが、今回の相談での話です。
同じように「内緒で売りたい」と相談されても、いつもこの進め方になるわけではありません。周囲に知られることが大きな負担になる方なら、紹介する相手を限定して探す方が合うこともあります。
その場合は、条件の合う相手が見つかるまで時間がかかることもあるので、いつごろまでに売りたいのかも、一緒に確認します。
金額には出てこない、売却の手間
静かに売りたい理由が、手間をかけたくないから、ということもあります。
親戚への説明だけではありません。買い手候補が変わるたびに内見の日程を調整する。家の片づけを進める。立会いのために予定を空ける。売却には、価格の話とは別に、こうした用事がついてきます。
仕事や家庭の予定がある中で、その都度対応するのは負担になることもあります。早く手放したいという希望も、単に売却を急いでいるのではなく、そのやり取りを早く終えたいのかもしれません。
そういう場合には、不動産会社の買取条件を聞いてみる方法もあります。
仲介で売る場合より価格が低くなることはありますが、買い手候補ごとの内見や調整の負担を減らせる場合があります。片づけや引渡しについて何を任せられるかは、買取条件とあわせて確認する必要があります。
価格がどれくらい違うのか。いつ引き渡せるのか。自分でどこまで片づけるのか。
そこまで並べてみると、金額だけでは見えなかった違いがわかります。
時間をかけても希望の価格に近づけたい方と、金額が多少変わっても早く済ませたい方では、同じ家を売るにしても進め方が違います。
親戚への説明も、内見への対応も、査定書には金額として出てきません。でも、売る人にとっては、どちらも自分の時間を使うことです。
実家を売りたい。でも、あまり人に知られたくない。
その相談には、家をいくらで売るかだけでなく、売り終えるまでに、どこまで自分の時間や手間をかけられるか、という話も含まれています。
春日井シティ不動産株式会社
代表取締役 山本直嗣
※実際の相談事例をもとに、販売方法についての一般的な説明を加えて再編集しています。
