離れて暮らす親が心配。介護・お金・実家のこと、何から考える?

親のことは心配だ。
自分の生活も、守りたい。
私の母は、近くでひとり暮らし。妻の両親は、遠方で二人暮らしです。これから親が一人で生活できなくなったら、自分はどこまで支えられるのか。正直、不安があります。
子どもの教育も、仕事も、まだ頑張らないといけない。親の力になりたい気持ちと、「自分にできるだろうか」は、同時にあります。
私も、介護は素人です。だからこそ、気合いで何とかしようとする前に、家族がすること、公的な支援を頼れること、お金と住まいのことを調べました。これは、その最初の整理です。
ガル太電話で「元気だよ」って言ってたら、ひとまず安心じゃない?
おカン声を聞くと安心するけどね。ちゃんと食べてるか、病院に行けてるか。普段の暮らしまでは、電話だけじゃ見えんのよ。
01 親の暮らし「元気?」のほかに、何を聞こう。
近くに住んでいれば、顔を見に行きやすい。それでも、仕事のある平日に何度も呼ばれたら、今の生活のままで対応できるかは別の話です。遠方なら、ちょっとした用事でも移動に時間と費用がかかります。
一人暮らしの親なら
食事、買い物、通院、薬やお金の管理。以前は自分でできていたことで、困る場面が増えていないか。具合が悪いとき、誰に連絡するかも話しておきたいところです。
老夫婦で暮らす親なら
「二人いるから大丈夫」で済ませず、支えている側の親にも聞く。通院の付き添いや家事が、一人に偏っていないか。「疲れていない?」も大事な問いです。
いきなり「施設はどうする」「通帳を見せて」では、親も身構えます。まずは「買い物、重くない?」「最近いちばん面倒なことは?」と、暮らしの話から。親が続けたいことも、同じように聞いておきたいと思います。
物忘れや生活の変化が気になっても、家族だけで認知症と決めつけない。かかりつけ医や、次に紹介する地域包括支援センターに相談して、何が起きているのかを確かめるところからです。
02 最初の相談まだ介護か分からなくても、相談していい。
最初の相談先として覚えておきたいのが、親の住んでいる地域の「地域包括支援センター」です。高齢者の暮らしを、福祉・保健・介護の専門職が支える窓口です。介護の認定を受けてから探す必要はありません。
春日井市では、親のお住まいの住所によって担当が分かれています。親が市外に住んでいるなら、親の自治体の窓口を調べます。自分の住む場所だけで探さないことがポイントです。
最初の電話は、こんな話でいい。
「離れて暮らす親が心配です。最近、買い物や通院が負担そうです。私は仕事があり、毎日は通えません。まだ何を頼めるかも分からないのですが、相談できますか?」
うまく説明できなくても、困っている場面と、家族ができること・難しいことを伝える。必要に応じて要介護認定の申請や、暮らしを支えるサービスの検討につながります。春日井市では、認定の申請を家族が行うこともできます。
確認先:春日井市・要介護認定の申請と流れ
03 支え方を考える一人で暮らすのが難しくなったら、どうなる?
ガル太じゃあ、子どもが毎日通うか、一緒に住むか、施設に入るか、ってこと?
おカン毎日通うって、簡単には約束できんよ。親も、今の家にいたいかもしれんしね。
まず、今の家で暮らすために何を手伝ってもらえるかを相談する。家族が全部する前提で決めなくていいんですね。
例えば、入浴や食事の支援、日中に通うデイサービス、短期間泊まるショートステイ。本人の状態や希望に合わせて、利用できる支援を組み合わせていきます。家族が休む時間をつくることも、支援を考える理由になります。
- 今の家で暮らす支援を増やす訪問や通所のサービスなどで、何が補えるか。支援のない時間帯も含め、生活が成り立つかを相談します。
- 家族の負担が増えたら、計画を見直す泊まりのサービスなども検討。「前はできた」からと、同じ役割を引き受け続けなくてかまいません。
- 家での生活が難しければ、住まいを検討する同居、住み替え、施設など。本人の希望、必要な介護・医療、費用、家族の暮らしを一緒に考えます。
介護保険を使えば、いつでも誰かが家にいてくれるわけではありません。利用の条件や上限、地域の受け入れ状況があり、家族全員の家事を頼める制度でもありません。ケアマネジャーなどと支援の計画を立て、残る負担を誰がどう担うかまで確認します。
お金があれば選択肢は増えます。でも、本人が望む暮らしや、家族との距離まで、お金だけで決まるわけではない。無理の出たところを相談し直せる体制をつくっておくことが大切だと感じます。
確認先:春日井市・2026年度 高齢者福祉サービスガイド(PDF)
04 お金の見通し親を支えたい。でも、自分の家計も心配だ。
ここは、きれいごとで済ませたくありません。子どもの学費や住宅ローンがある家庭なら、親の費用をどこまで出せるかは、切実な話です。
まず分けたいのは、「介護保険の自己負担」と「生活全体にかかるお金」。介護サービスの自己負担が原則1〜3割でも、暮らしの費用すべてがその割合になるわけではありません。
- 介護サービス
- 保険の対象となるサービスの自己負担。所得などに応じて原則1〜3割。支給限度額を超えた利用分などは、別の負担になります。
- 食事・住まい・生活
- 施設の食費や居住費、日用品、保険外のサービスなど。施設を検討するときは、表示された基本料金だけでなく、毎月の総額を確認します。
- 家族と実家にかかる分
- 帰省や付き添いの交通費、留守になった家の維持費など。老夫婦なら、家に残るもう一人の生活費も忘れないようにします。
介護保険の対象となる自己負担が高額になったときの払い戻しや、条件に合う方の施設の食費・居住費を軽減する制度もあります。ただし、すべての出費を一律に減らせるものではなく、所得・資産などの要件や申請があります。
確認先:春日井市・高額介護サービス費
親が話せる範囲で、年金や貯蓄から続けて払える額を確認する。そのうえで、子どもの家庭も守れるかを考える。「足りなければ私が全部出す」と約束する前に、相談先に「この予算で続けられる支え方はありますか」と聞いていいのです。
月にいくら、とは一つに決められません。だから、利用の計画と見積もりを見ながら、毎月の支払いと最初に必要なお金を分けて考える。分からないまま、家族だけで不足分を抱え込まないようにしたいと思います。
05 仕事と実家仕事を辞める、家を売る。その前にできる相談がある。
介護のために仕事を辞めれば、通う時間は増えるかもしれません。でも、自分の収入やこれからの生活はどうなるか。働いている方は、退職を決める前に、勤務先の介護休業・休暇などを確認しておきたいところです。介護休業は、介護を続ける体制を整えるためにも使う制度です。
自営業なら、代わってもらえる仕事や、休める時間を考える必要があります。「家族だから何とかする」に、仕事も生活も預けてしまわない。私自身も、そう考えておきたいと思います。
実家も同じです。親が施設へ入ることになっても、すぐに売ると決める必要はありません。もう一人の親が住み続けるのか、今後戻る可能性があるのか、維持や費用はどうするか。まず、親の暮らしを考えるところからです。
子どもだからという理由で、親名義の家を自由に売れるわけではありません。本人の意思や契約を理解・判断できる状態、代理の権限などを確認します。認知症という診断名だけで、すべて同じ扱いにもなりません。成年後見人が本人の居住用不動産を売る場合には、家庭裁判所の許可も必要です。
ここは、介護の相談先と、司法書士・不動産会社など、それぞれの専門分野をつなぐところ。詳しい手順は、「親が施設に入り、実家が空き家に。子どもが売却を進めてもいい?」で整理しています。
確認先:裁判所・居住用不動産処分の許可
今週、一つだけ進めるなら。
ガル太一度に全部決めなくていいのは、少しほっとするね。
おカン「全部任せて」と言う前に、何に困ってるか聞くところからだね。私たちの暮らしも、長く続くんだから。
- 親に、最近いちばん困る用事を一つ聞く。
本人が続けたいことも聞いてみる。 - 自分ができること・難しいことを書いてみる。
通える頻度、仕事、家計。きょうだいや配偶者にも、先に相談する。 - 親の住所を担当する相談先を保存する。
心配な場面があれば、「まだ介護か分からないのですが」から相談する。
親を大切にしたい。でも、自分の家族の暮らしも大切です。その二つを両立させるために、早めに人を頼る。できない約束をするより、続けられる支え方を一緒に探す。私も、その準備から始めたいと思っています。


