相談事例

相談22|親のマンション、子どもに売れる?(名古屋市・60代男性)

kasugai-home
親のマンションの売買を相談する60代男性のイメージイラスト
相談者のイメージイラストです。

親が持っているマンションが、子ども家族の住まいにちょうどいい。場所も、暮らし方も合っている。それなら、ほかの人に売るより、子どもに買ってもらってはどうだろう。

今回は、名古屋市の60代の男性からのご相談です。相続まで待たず、今のうちに売買で名義を移したい、というお話でした。

親子の間で話がまとまれば、あとは名義を変えるだけ。そんなふうにも思えますが、買うためのお金や、売る値段、税金のことを確かめながら進めました。

子ども家族に、ちょうどいいマンションだった

不動産を買うときは、たくさんの物件を見ても、なかなか合うものが見つからないことがあります。場所はいいけれど広さが足りない。広さは十分でも、毎日の通勤には遠い。

今回のマンションは、たまたま子ども家族の生活に合う条件でした。

親の持ち物だから買う、というだけではなく、住まいとして合っている。そこが、この話の始まりです。

もちろん、親から子どもへ渡す方法は、売買だけではありません。贈与することも、相続まで持っておくことも考えられます。ただ、将来の相続を待つことと、今、子どもが住まいを持つことは、時期が違います。

今回は今のうちに売買をしたいという希望がありました。その希望に沿って、実際に進められるかを確認していきました。

住宅ローンを使えるか、先に確かめる

子どもが現金で買えるなら、その資金で話を進められます。住宅ローンが必要なら、銀行への相談が先になります。

親子で値段を決め、契約の日まで決めてから、借りられないと分かっては困る。銀行には、親が売主になる取引だと伝えたうえで、取り扱いと審査に必要な書類を確認します。

今回のお子さんは、住宅ローンを利用できました。親御さんが取引していた銀行との関係があり、そこに相談して融資の話がまとまったケースです。

ただ、親が付き合っている銀行なら必ず借りられる、ということではありません。今回借りられたことを、そのまま別の親子の話には当てはめられないんですね。

毎月いくら返していくのか。マンションなら、ローンのほかに管理費や修繕積立金もあります。親子で折り合える値段と、子どもの暮らしの中で払い続けられる金額。その両方を見ておきたいところです。

安く売るなら、値段の根拠も必要になる

自分の子どもに売るのだから、少し安くしてあげたい。そう思うことはあるでしょう。

今回も、相場より一割ほど低い価格での売買でした。

ここで気をつけたいのは、何割引きまでなら大丈夫、と一律には決められないことです。個人から著しく安い値段で不動産を買うと、時価との差額が贈与とみなされる場合があります。

親子で納得していることと、税務上どう扱われるかは、別に確かめる必要があります。銀行が融資してくれることも、税金の扱いまで確認できたという意味ではありません。

まず、そのマンションが通常の売買ならどのくらいの価格になるか。近隣の取引や部屋の状態などから目安を出し、それを材料に、予定している価格を税理士に確認する。

子どもに負担をかけたくなくて値段を下げたのに、あとから別の税金が出てきたら、当初のつもりと違ってしまいます。価格を決める段階で、そこまで含めて考えておきます。

親に残るお金と、子どもの負担を比べる

売る値段だけで話をしていると、親子の間で動くお金は分かっても、そのあとに残る金額は分かりません。

例えば、親が自分の住んでいた家を売る場合に使われる、譲渡所得の3,000万円特別控除。子どもへの売却では、この特例は使えません。親子が別々に暮らしていれば使える、というものでもありません。

一方、子どもの住宅ローン控除は、親と生計を一にしているかなどの条件も関わります。ローンを借りられるかと、控除を受けられるかは、分けて確認します。

売る側にどのくらい税金がかかるのか。買う側には、購入代金のほかにどのくらい費用が必要か。

親の手元に残るお金と、子どもが用意するお金を並べてみると、この値段で進めてよいか、もう少し考えやすくなります。売買か贈与かで迷う場合も、名前だけで比べるより、家族の希望と実際の金額を一緒に見た方が話が進みます。

親子でも、契約と支払いは書面に残す

今回も、通常の売買と同じように、重要事項説明書と売買契約書を作成して進めました。

親子なら、部屋のこともお互いに知っているかもしれません。それでも、設備の状態、管理費や修繕積立金、代金を払う日、引き渡す日などは、書面で確かめておきます。

売買という形を取るなら、代金が実際に支払われ、その記録が残ることも大切です。契約書だけ作って、名義だけ変える話とは違います。

親子の間で渡したあとも、その部屋での暮らしは続きます。あとになって、あのお金は何の支払いだったか、修理は誰がする話だったかと、記憶をたどらなくて済むように。

親のマンションが、子ども家族の暮らしに合っていた。今回の相談は、そこから始まりました。

その話を進めるために、ローンを確かめ、価格を考え、契約の内容を整える。親子で買いたい、売りたいという気持ちが決まっていても、実際の手続きには、いくつか確かめることがあるんです。

※実際の相談をもとに、一般的な確認事項を交えて再編集しています。税務の扱いは取引条件によって異なります。価格や契約内容を決める前に税理士へご確認ください。

春日井シティ不動産株式会社
代表 山本直嗣

春日井市の不動産相談窓口
不動産について相談する
ABOUT ME
山本直嗣
山本直嗣
春日井シティ不動産 代表
春日井市を拠点に、駐車場・空き家・空き地の管理や、不動産の売却・活用をお手伝いしています。 大切なご実家や土地のこと、「どうしたらいいか、まだ決まっていない」という段階でも大丈夫です。地元の不動産屋として、お話を伺いながら、一緒にこれからのことを考えます。 このブログでは、管理のポイントや、気になるお悩みをわかりやすくお伝えしていきます。春日井市・小牧市・瀬戸市・名古屋市守山区・北区のご相談を承っています。
記事URLをコピーしました