相談9|相続した空き家、壊した方がいい?(名古屋市・50代男性)

相続した実家を、これからどうするか。住む予定がなければ、壊してしまうことも考えます。
今回は、遠方にある実家の管理に困っていた、50代の男性からのご相談です。
遠くて見に行けない。更地にした方がすっきりする?
親御さんから相続した、築40年以上の戸建てです。ご本人は別の場所で暮らしていて、実家までは遠い。古くなった建物は気になるけれど、こまめに見に行くことも難しい。
この家に住む予定はなく、人に貸すことも考えていませんでした。それなら、建物を壊して更地にした方が、気持ちも楽になるのではないか。そうお考えでした。
住んでいない家でも、傷み具合は気になります。様子を見に行くとなれば、予定も空けなければならない。使う予定のない家のために、それが続いていくのは負担です。
ただ、この方は売却を急いでいませんでした。更地にした後、土地をどうするかも、まだ決まっていなかったのです。
解体には、まとまった費用がかかります。家の中に残っている物の処分、建物の取り壊し、塀などの撤去。どこまで片づけるかで、見積もりも変わります。
そして、工事が終わった後にも、変わる支払いがあります。土地の固定資産税です。
更地にすると、土地の税金が高くなる
住宅の敷地には、土地の税負担を軽くする特例があります。家を壊して更地にし、その特例が外れると、土地の固定資産税は高くなります。
建物がなくなれば、建物にかかる税金はなくなる。それでも、土地と合わせた支払いは、以前より増えることがあります。
家を壊せば、その分だけ毎年の出費も減りそうですが、そうとも限らないのです。実際にいくら変わるかは、その土地の税額を確認します。
解体後の予定がまだなければ、工事が終わっても、更地を持ち続けることになります。今回も、工事代だけでなく、その後の税金まで含めて考えることになりました。
古い家を残したまま売れる?
いずれ売るなら、今のうちに壊しておいた方がいいのか。
売却するときも、先に更地にしておかなければ売り出せない、ということはありません。古家付きの土地として紹介し、買い手と条件を話すこともあります。
売主が解体してから引き渡すのか。建物を残したまま引き渡し、買い手が解体するのか。費用を誰が持つかと、売買価格を合わせて話していきます。
建物の状態によっては、直して使いたいという人が見つかることもあります。先に壊してしまえば、そういう買い手に家を見てもらうことはできません。
もちろん、屋根や外壁が落ちそうな家なら、その対応が先です。古い家を何でも残せばいい、ということでもありません。
ただ、今回の方は売却を急いでおらず、お金が必要で早く手放したいという事情もありませんでした。売る準備として、今すぐ更地にする場面ではなかったのです。
今回は、解体せず管理を依頼
そこで、今は家を残し、管理を当社に任せていただくことになりました。
ご本人が困っていたのは、遠方で管理に手が回らないことです。家をどうするかはまだ決まっていなくても、様子を見てもらえる先があれば、ご自身だけで対応し続けなくても済みます。
管理を頼めば、その費用はかかります。家の状態によっては、手入れや修繕も必要になります。何もせず、そのまま置いておくのとは違います。
今回は、その管理を任せながら、家を残しておくことになりました。今後、売ると決めれば、そのときに建物をどう扱うかも相談できます。
使わない実家を、壊してすっきりさせたい。そこから始まった相談でしたが、お話を伺うと、解体後の予定はまだありませんでした。
家をなくすところまで一度に決めず、まずは遠方で手が回らなかった管理を任せる。今回は、そこまでを進めることになりました。
春日井シティ不動産株式会社
代表 山本直嗣
※実際の相談事例に、解体・管理についての一般的な説明を加えて再編集しています。
