相談14|親が元気なうちに実家を売ると、得?(春日井市・60代男性)

実家は、相続する前に売っておいた方が、税金で得になるらしい。
そんな話を聞いた、春日井市の60代の男性からのご相談です。将来の相続に備えて、情報を集め始めたところでした。
ただ、その実家には、今も親御さんが暮らしています。
売るなら、親はどこで暮らすのか
親御さんはお元気で、今の家を積極的に売りたいとは思っていませんでした。
子どもの側から見れば、将来相続する家です。先に整理できれば、後で困らずに済むかもしれない。税金も少なくなるなら、なおさら気になります。
でも、親御さんから見れば、今日も住んでいる自分の家なんですね。
売ることになれば、次の住まいが必要です。どこへ移るのか。家財をどうするのか。引っ越した先で、これまでのように暮らせるのか。売却の話を進めるなら、そこも一緒に考えることになります。
今回のご相談は、親御さんの住み替えが決まっていて、実家が不要になるという話ではありませんでした。税金の話が、売却を考えるきっかけになっていました。
生前に売れば、必ず節税になるわけではない
親御さんが自分の住まいを売る場合、条件を満たせば、売却益から最高3,000万円を差し引ける特例があります。こうした制度が、生前に売る方がよいという話につながることもあります。
ただ、相続してから売る場合にも、条件に合えば使える特例があります。また、家を売るときの税金と、財産を相続するときの税金は別の話です。
土地を現金に変えることで、相続税の評価や使える特例も変わります。実家だけでなく、ほかの財産や、誰が相続するかによっても結果は違う。「先に売って現金にしておけば得」と、一律には言えません。
具体的に比べるなら、売れそうな金額や購入時の資料、ご家族の状況をそろえて、税理士に確認することになります。
今回は、税金がいくら安くなるかを確定して、そのために売ると決めた相談ではありません。税金を調べる話と、親御さんが家を手放す話を、一緒に進める必要があるのか。そこを考えることになりました。
今回は売らず、親が住み続けることに
親御さんは、今の家で暮らしています。売却を積極的に望んでもいません。
その状況で、将来の税金のために住まいを変えるところまでは進まず、今回はそのまま住み続けることになりました。
売った方が何万円得か、という計算だけでは、引っ越す負担や、次の暮らしのことまでは決まりません。今の家を売る必要が出てきたら、その時に税金も含めて考える。今回は、売却を急がないという話になりました。
売らなくても、元気なうちに話せることはある
ここからは、同じように実家の先々を考えている方への話です。
今は売らないとしても、親御さんがこの先どこで暮らしたいかは、聞いておけます。今の家に住み続けたいのか。管理が大変になったら、住み替えも考えるのか。実家を使わなくなった時に、家族の誰かが住む予定はあるのか。
購入した時の契約書など、家の書類がどこにあるかを一緒に確かめておくのも、後の助けになります。これは、売却を決めることとは別にできます。
将来に備えようとして相談に来られた息子さんと、今の家で暮らしている親御さん。どちらも同じ実家の話ですが、考えている時期が少し違っていました。
税金のことは調べておく。でも、家を売る話は、今そこで暮らしている親御さんの希望から。今回のご家族は、実家を残して、今の暮らしを続けることになりました。
