【ふるさと納税の目安】不動産売ったら、ふるさと納税つかえます
ふるさと納税は不動産を売って売却益が出た場合もつかえます
「ふるさと納税(寄付金控除)」というのは、自分が選んだ自治体に寄附を行った場合に、寄附額のうち2,000円を超える部分について、所得税及び住民税からそれぞれ控除が受けられる制度です。
現在住んでいる自治体以外でも、例えば、生まれた故郷や応援したい自治体に寄付ができます。自分自身で寄付金の使い道の指定も可能。地域の名産品などのお礼の品もいただけるという魅力的な仕組みです。
ふるさと納税をご利用されている方も多いと思いますが、不動産を売却して売却益が出た場合にも利用できるのはご存知でしょうか。
所得税や住民税は1年の収入額によって決められますが、収入が高い人ほど寄付金控除額の上限も増えます。不動産を売却した年の所得は、大きな金額になることが多いので、ふるさと納税を上手に利用すると得られる節税効果も大きくなります。
ふるさと納税について
ふるさと納税、そのものについての説明は、この記事では省略しますが、下記のサイトがわかりやすいので、おススメです。
不動産を売っても譲渡益が出ない場合は使用できない
不動産を売った場合でも、買った価格より売った価格の方が安いとか特別控除などを利用した等で、売却益が出ないあるいは譲渡所得がマイナスになった場合は、そもそも課税はされません。不動産を売っても譲渡益が出ない場合は、ふるさと納税の上限額が増えることはありません。
ふるさと納税をしたらどれくらい得するのか?
ふるさと納税には、給与収入や家族構成等によって、全額控除される上限額が決まっています。
そもそも、自分はいくらの寄附控除が受けられるのか?
つまり、どれくらい得するのか?
それを知るために、
掲載されている「ふるさと納税額の目安表」を参考にするといいでしょう。
ふるさと納税額の目安表
※以下、総務省のふるさと納税ポータルサイトより抜粋
自己負担額の2,000円を除いた全額が所得税(復興特別所得税を含む)及び個人住民税から控除されます。
下記はふるさと納税額の目安一覧(平成27年以降)です。全額控除されるふるさと納税額の年間上限を超えた金額については、全額控除の対象となりませんのでご注意ください。
掲載している表は、住宅ローン控除や医療費控除等、他の控除を受けていない給与所得者のケースです。年金収入のみの方や事業者の方、住宅ローン控除や医療費控除等、他の控除を受けている給与所得者の方の控除額上限は表とは異なります。※社会保険料控除額は給与収入の15%と仮定。※掲載している表はあくまで目安です。具体的な計算はお住まい(ふるさと納税翌年1月1日時点)の市区町村にお問合せください。
年収と家族構成によるふるさと納税の控除上限額
年収 | 独身又は共働き | 夫婦又は共働き+子1人(高校生) | 共働き+子1人(大学生) | 夫婦+子1人(高校生) | 共働き+子2人(大学生と高校生) | 夫婦+子2人(大学生と高校生) |
---|---|---|---|---|---|---|
300万 | 28,000 | 19,000 | 15,000 | 11,000 | 7,000 | ー |
350万 | 34,000 | 26,000 | 22,000 | 18,000 | 13,000 | 5,000 |
400万 | 42,000 | 33,000 | 29,000 | 25,000 | 21,000 | 12,000 |
450万 | 52,000 | 41,000 | 37,000 | 33,000 | 28,000 | 20,000 |
500万 | 61,000 | 49,000 | 44,000 | 40,000 | 36,000 | 28,000 |
550万 | 69,000 | 60,000 | 57,000 | 48,000 | 44,000 | 35,000 |
600万 | 77,000 | 69,000 | 66,000 | 60,000 | 57,000 | 43,000 |
650万 | 97,000 | 77,000 | 74,000 | 68,000 | 65,000 | 53,000 |
700万 | 108,000 | 86,000 | 83,000 | 78,000 | 75,000 | 66,000 |
750万 | 118,000 | 109,000 | 106,000 | 87,000 | 84,000 | 76,000 |
800万 | 129,000 | 120,000 | 116,000 | 110,000 | 107,000 | 85,000 |
850万 | 140,000 | 131,000 | 127,000 | 121,000 | 118,000 | 108,000 |
900万 | 151,000 | 141,000 | 138,000 | 132,000 | 128,000 | 119,000 |
950万 | 163,000 | 154,000 | 150,000 | 144,000 | 141,000 | 131,000 |
1000万 | 176,000 | 166,000 | 163,000 | 157,000 | 153,000 | 144,000 |
1100万 | 213,000 | 194,000 | 191,000 | 185,000 | 181,000 | 172,000 |
ふるさと納税による控除上限額シュミレーション
自分がふるさと納税の寄付金額をいくらくらい使えるかは、上記の「寄付金額上限の目安表」で自分の給与収入と家族構成を当てはめれば目安をしることができます。
源泉徴収票をお持ちであれば、下記の控除上限額シュミレーションでもっと詳しく調べることができます。
不動産譲渡後のふるさと納税の上限額の計算方法
不動産譲渡した場合の上限額について
不動産譲渡や株式譲渡など、給与以外に収入があった場合は、そのぶん寄付金の上限が広がります。
たとえば、その年に土地を売却して譲渡益が出た場合、ふるさと納税の控除上限額を決める「住民税所得割額」が増え、寄付金額の上限もアップするので、ふるさと納税を利用するメリットも大きくなります。
ただし、その場合の寄付金額の上限は、
不動産の売却価格や譲渡益をそのまま給与収入と合算して目安表に当てはめるわけではありません。
不動産の譲渡益に対する税額によって、寄付金額の上限が変わってきます。
少し複雑な計算が必要になりますが、
1.不動産譲渡による住民税額を出す
不動産譲渡の住民税率は
所有期間5年超の長期譲渡所得の場合は5%。
所有期間5年以下の短期譲渡所得の場合は9%。
となります。
「不動産譲渡所得」に上記の税率を掛け算した金額が「不動産譲渡の住民税額」となります。
不動産を売った場合の税金の計算方法については下記記事を参照してください。
2.給与所得等による「住民税所得割額」を出す。
源泉徴収票を見て
「所得控除後の金額」を出します。
源泉徴収票の記載項目の
「給与所得控除後の金額」から
「所得控除の額の合計額」を引いたものが
「所得控除後の金額」となります。
「所得控除後の金額」の10%。
それが「住民税所得割額」となります。
3.上記1+2の金額を合計して所得税率を出す ※国税庁のHPより所得税の速算表を引用
上記で算出した
1.不動産譲渡による住民税額
2.住民税所得割
を合計した「所得金額」から「所得税率」を確認します。
所得金額 | 所得税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 から 194.9万円まで | 5% | 0円 |
195万円 から 329.9万円まで | 10% | 9.75万円 |
330万円 から 694.9万円まで | 20% | 42.75万円 |
695万円 から 899.9万円まで | 23% | 63.6万円 |
900万円 から 1799.9万円まで | 33% | 153.6万円 |
1800万円 から 3999.9万円まで | 40% | 279.6万円 |
4000万円 以上 | 45% | 479.6万円 |
4.下記の式によりふるさと納税の控除上限額を算出する
ふるさと納税の上限額は下記の計算式により算出できます。
(1と2を合算した金額)× 20% ÷【(90%-所得税率)× 復興税率1.021】+ 2,000円
※こちらの計算式はあくまでも目安です。
不動産を売ってふるさと納税を利用する場合は、確定申告が必要です
ふるさと納税の控除を受けるのに、確定申告の必要がない「ワンストップ特例」という簡単に手続きもありますが、不動産を売却して利用する場合は、ワンストップ特例は利用できません。
寄付した翌年に必ず確定申告をする必要があります。確定申告でふるさと納税の寄付金控除を申告すると、控除された金額が所得税から還付され、その年に払う住民税が減額されます。
まとめ
ふるさと納税の寄付金の上限は、その年の収入で決まってきます。
不動産を売って、ふるさと納税の上限を無駄なく使おうと思えば、不動産を売った年の12月までに寄付をして、上限枠を使い切らないといけません。
その年の給与も確定はしていない状況となりますが、前年度の給与収入を基準にその年の収入を想定して、寄付金の上限を把握しておくといいでしょう。
その年の寄付金の上限額に満たない分は、次の年に使うことはできず、その枠は消滅してしまいます。
ふるさと納税の寄附の上限は、不動産を売ったその年のみに適用されますので、余らせることのないよう、不動産を売った年にしっかり使いきりましょう。